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映画「流浪の月」が気持ち悪いと言われるのはなぜ?理由を徹底解説

「流浪の月」は広瀬すず、松坂桃李のW主演で、2022年に公開された映画。女児誘拐事件の犯人と、その被害者の人間模様を描いた作品です。映画「流浪の月」について、インターネット上では「気持ち悪い」という感想やレビューが目につきます。グロテスクなホラー映画でもないですし、一見、気持ち悪い要素はなさそうですが・・・。この映画のいったい何が「気持ち悪い」のでしょうか?鑑賞したうえで、インターネット上の感想と照らし合わせていくと、その理由がいくつかわかりました。

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「流浪の月」概要

 映画「流浪の月」が「気持ち悪い」と評される理由を探る前に、この作品のあらすじや概要をおさらいしておきましょう。より一層映画「流浪の月」に対する理解が深まると思います。

あらすじ

・監督

李相日

・キャスト

家内更紗(かない さらさ):広瀬すず

佐伯文(さえきふみ):松坂桃李

中瀬亮(なかせ りょう):横浜流星

谷あゆみ:多部未華子

 家に居場所がなく、公園でたたずんでいた家内更紗のまえに一人の男が現れます。その男は、世間から「ロリコン」とされ、白い目でみられている佐伯文でした。文は更紗を家に招き入れ、2人で生活を始めます。家に帰りたくない更紗も満足の様子。しかし、世間では幼女が誘拐されたとして、大事件になります。警察の捜索で、更紗と一緒にいるところを取り押さえられた文は逮捕され、更紗と離れ離れになるのでした。

 それから数年後、更紗はバイト先の知り合いと、ある一軒のカフェに入ります。たまたま入店したそのお店で、店主をしていたのは、数年前に離れ離れになった文でした。文が気になりだした更紗は、何度もお店に足を運びます。やがて文と大人になった更紗の、秘密の交流が始まるのでした。元誘拐犯と被害者とされる少女。2人の不思議な関係が、周囲をざわめかせます。

 

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映画「流浪の月」 何が気持ち悪いのか?

映画「流浪の月」に関してインターネットで検索すると「気持ち悪い」と書かれたレビューが目に留まります。グロテスクなシーンなどは一切登場しない映画ですが、どうやら登場人物の人間性や、映画の設定上の部分で「気持ち悪い」と評されている部分があるようです。そこで映画「流浪の月」を「気持ち悪い」をキーワードにまとめてみました。

1. 主人公更紗の恋人が気持ち悪かった

 横浜流星演じる中瀬亮は、更紗の同棲相手です。更紗の彼氏が束縛癖のある「気持ち悪い」ヤツでした。とにかく更紗と一緒にいたがる性格で、更紗を束縛しておきたい願望が丸見えの人物です。文と再会した更紗は少し様子が変。亮はその様子を察知します。彼女がバイトへ行くと嘘をつき、何かやましいことをしていると思ったのでしょう。彼女に直接「どうしたの?」と聞けば良いものを、亮は彼女のバイト先に電話をかけ、更紗のバイトのシフトを聞き出そうとしました。

ある時は更紗が嫌がっているにもかかわらず、性行為を強要したり、血が出るまで暴力を振ったりとやりたい放題。すべて自分の想い通りにならないと、心を取り乱し、更紗に危害が加わる。典型的なDV男です。これに耐えかねた更紗は、文のもとへ逃げます。

しばらくして、亮の様子を見にいくと、彼は引きこもり生活を送っていました。更紗がいなくなったショックで、会社にも行けなくなってしまったのです。挙句の果てに、逃げる更紗を引き留めようと、自身の身体をナイフで刺します。更紗が逃げていく現実を、受け止め切れなくなり、自殺未遂を図ったのです。自分勝手に更紗を振り回し、服従させようとするクセに、彼女がいなくなると何もできなくなってしまう。亮の子供のような未熟さが、文の落ち着きあるキャラクターとは対照的です。自分勝手で女々しく、わがままな亮に「気持ち悪い」との声が上がっています。この役柄をリアルに演じた横浜流星の演技力は圧巻です。

2. 松坂桃李演じる佐伯文は世間から気持ち悪がられる不憫な役柄

この物語のメインキャラクターで、松坂桃李演じる佐伯文は、世間から「気持ち悪い」と評されてしまう不憫な役柄です。過去に帰る家がない更紗を家にかくまい、世間を騒がせた誘拐事件に発展。逮捕された文は、世間から「ロリコン」と呼ばれ、冷たい目で見られてしまいます。映画を観るとわかりますが、文は決して幼い更紗を性的に見ていたわけではありません。その証拠に、幼い更紗は文と楽しそうに生活していました。

更紗の誘拐騒動の数年後。ひっそりとカフェを営み生活している文は、大人になった更紗と再会し、親交を深めていきます。しかし、文に嫉妬心を抱く亮の手により、更紗を誘拐した過去がまたも世間に広まってしまいます。それが原因で文は、自身が営むお店の入り口に「ロリコン野郎」と落書きされたり、SNSで顔をさらされたり。周囲から再び「気持ち悪がられる」文の苦悩も、この映画の見どころです。

彼は、映画の最後にある告白を更紗にします。「自分は誰ともつながることができない身体である」と。つまり性機能が発達せず、女性に恋愛感情や性的欲求を持つことができない身体なのです。文は女児性愛者(いわゆるロリコン)だから大人の女性を愛せないのではなく、身体的な問題を抱えていたのですね。その証拠に文は、幼少期の更紗に、性的感情を抱いているシーンは一切ありません。映画を観ているとわかりますが、文はやさしい心の持ち主です。更紗を家に長期間かくまったのも、純粋な文のやさしさなのかもしれません。それが世間一般の評価では、小さい女の子を性の対象にする「気持ち悪いロリコン」として冷たい目で見られてしまったのです。この役柄に「気持ち悪い」と評する映画好きの投稿も目立ちました。

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まとめ

 今回は2022年に公開されたばかりの映画「流浪の月」で浮上するワード「気持ち悪い」の真相を調査してみました。インターネット上のレビューを見ていると「気持ち悪い」と評されているのは、広瀬すず演じる更紗の恋人、亮の性格が主でした。自分勝手で女々しい、典型的なDVダメ男を演じた横浜流星の演技は、ついつい見入ってしまいます。また映画の中では、松坂桃李演じる、佐伯文が「気持ち悪い男」として、世間から冷たい目で見られる姿が描かれています。心優しく純粋な気持ちがあるがゆえに犯した誘拐。そこから尾を引く、彼に対する世の中の扱いはとてもひどいものです。更紗以外の人間に理解されない文の苦悩。皆さんも映画「流浪の月」で一緒に味わってみましょう。

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