皆さんは最近公開された映画「シン・仮面ライダー」をご存じでしょうか?
俳優池松壮亮さんと柄本佑さん主演のこの映画はテレビ版の仮面ライダーと、原作漫画の仮面ライダーをうまく取り入れて作られた映画です。今回はこの映画の見どころと、仮面ライダーは人なのか?シン仮面ライダーは変身しない?というテーマで皆さんにご紹介できればと思います。※文中にはネタバレも含みます。
シン仮面ライダーとは
“シン・仮面ライダー”は2023年3月18日に公開された映画です。内容は昔の仮面ライダー1号を元に作られた映画ですが、昔のテレビ版よりも表現の仕方が変わっており、テレビ版を知ってる方には賛否両論もあります。
シン仮面ライダーのあらすじ
ある日、本郷 猛(ほんごう たけし)は“悪の組織ショッカー軍団”に連れ去られ、バッタの力を体内に取り込まれその身を改造されてしまいます。悪の組織結社ショッカー側にいた緑川 弘(みどりかわ ひろし)博士とその娘の緑川 ルリ子(みどりかわ るりこ)と一緒に脱出することができました。しかしその身は既に元の姿には戻れない改造人間であるため、ここから本郷 猛(ほんごう たけし)の仮面ライダーとしての苦難の道を歩み始めることとなります。
そしてしばらくして、緑川博士は組織を裏切ったことにより殺されてしまいます。死に際に、本郷(ほんごう)に娘のルリ子を託されたとともに、ルリ子と共に悪と戦うことを決めたのです。
シン仮面ライダーは変身しない?テレビ版との違い
ここまで見ると本郷 猛(ほんごう たけし)が改造されて、悪の組織結社ショッカーと戦うという面では、あまりテレビ版と変わらないように思えます。しかし、“シン・仮面ライダー”では、作品の魅力の一つでもある変身をしないのです。と言うのも、顔は出ているものの体はいつも変身した状態なのです。常に黒いコートを着ていて、戦闘シーンも着ていることがあります。これは従来の仮面ライダーではなかった新しい形だと思います。黒いコートを着ている理由も改造されてしまって、「元の人間の姿には戻れないため、人に見られて怖がられる、その姿を隠すため」という設定であるらしく、奥が深いと同時に悲しみも感じとれました。
テレビ版では変身する前は人の姿で変身した後は仮面ライダーの姿とオンオフの切り替えができていましたが、“シン・仮面ライダー”では変身をしないため1号2号は、常にバッタ怪人としてずっと人の世界に馴染めないまま過ごしていかなくてはならないという切ない設定にされているのだと思います。
これは石ノ森章太郎が当初のコンセプトで「“改造人間にされてしまったその哀しみを背負って戦う孤高のヒーロー”」として描きたかった大事なところを表しているのではないかと思います。
本郷 猛(ほんごう たけし)の死。
映画では終盤、敵と戦って力を使い果たした本郷 猛(ほんごう たけし)は泡となって消えていきます。そしてその遺志を2号の一文字 隼人(いちもんじ はやと)が受け継いでいく設定となっています。これは初版漫画本で描かれていた内容に近いものとなっています。漫画では、本郷 猛(ほんごう たけし)はショッカーライダーとの戦いに敗れ命を落としてしまいます。しかし幸いにも脳死には至らずに研究者の手によって研究所に脳を移し保管することに成功しました。それから2号である一文字 隼人(いちもじ はやと)にテレパシーなどで助言をするなど、“二人で一人の仮面ライダー”として戦います。その後、機械の体に脳を移して1号として復活を遂げ、新たに戦うというストーリーにもなっています。
映画は死に方や復活はしてないものの、1号が死んで2号がその遺志を受け継ぐという点では同じでうまく原作を取り入れていると思います。
仮面ライダーは果たして人なのか?
これらの考えを含むと、仮面ライダーは人であり改造された怪人なのではないかと思います。見た目は改造され、人と違うバッタ怪人の姿をしています。しかし二人の気持ちは、そんな哀しみを背負ってでも人を守りたいという優しい思いの持ち主でもあり、人間の心も忘れてはいません。
~筆者が感じたこと~
テレビ版を知っている上で、映画“シン・仮面ライダー”を見ると、こうゆう描き方もあるんだと新しい見方が生まれました。同じ作品でもストーリーは何通りも分けて作られて存在し、でも作品の根本的に伝えたい部分はしっかり一つとして同じように作られているところもまた仮面ライダーの魅力だと改めて感心させられました。
そう思う反面、子供たちには映画“シン・仮面ライダー”のストーリー性や伝えたいことは少し難しいのかなとも感じました。テレビ版の方が言い方はよろしくはないですが、単純で「改造させられたヒーローは悪を倒す」という面では、見やすく作られてるようにも思います。映画は大人向けな作品になっている気がします。それでも「正義のヒーローが悪者を倒し、人々と街の平和を守っていく」というところは子供にも伝わっていると思うので、家族で楽しめる作品になっているのは間違いないと思います。
この記事を書いていて、筆者も改めてテレビ版も今回の映画の作品もまた観返したいと思いました。仮面ライダーという作品は設定がたくさんあって、一度見ただけではどうしても分かりずらい部分などもあります。ですので二週目、三週目と観返すほど面白くなっていく作品です。一回では登場人物を覚えるので精いっぱいな部分もあり、理解できなかった内容も次に見るとすんなり理解できて面白さが倍増になる不思議な作品だと私は思います。
★シン・仮面ライダーのまとめ★
★シン・仮面ライダーは、テレビ版と漫画版を繋げたような内容になっており、ストーリーの一部はオリジナルで描かれている。
★原作にはない黒いコートを身にまとっており、変身しないで戦う新しいスタイルで描かれている。それは常に改造人間の姿で変身した状態であることから、変身する必要がないと思われる。黒いコートはその悲しい姿を隠すためでもある。
★1号の本郷 猛(ほんごう たけし)は戦闘の末、泡となって消えて2号の一文字 隼人(いちもんじ はやと)にその遺志を託す内容になっている。
最後に・・・
この記事は作品を元に感じたことを書いているので、あくまで著者の考察や、個人の感じたことを書かせていただいております。参考程度にしていただけると幸いです。
それからまだ映画を見ていない方は、一度見ていただけると嬉しいです。仮面ライダーを知らない方でも映画だけでも楽しめる作品になっていると思います。 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。