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映画「マザー!」が公開中止になった理由とは?

映画「マザー!」は2017年にアメリカで公開されたサイコスリラー映画です。2018年に東和ピクチャーズより配給され、日本でも公開予定の映画でしたが、突如公開中止が決定されました。いったい映画「マザー!」になにが起きたのでしょうか?公開中止の理由が気になるところです。今日は映画「マザー!」の公開中止理由に関して、映画の内容を踏まえて調査しました。

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映画「マザー!」について

 映画「マザー!」の主演はジェニファー・ローレンスとオスカー俳優のハビエル・バルデム。監督はダーレン・アロノフスキーが務めました。ダーレン・アロノフスキーは、ナタリー・ポートマン主演の映画「ブラックスワン」で、アカデミー監督賞にノミネートされた人物でもあります。この映画、あらすじだけを見ると、興味を惹かれるサイコスリラー映画なのですが、実際の中身はかなり難解です。実際に前情報なしでこの映画を鑑賞しましたが、ほとんどのシーンでなにが起こっているのか理解できませんでした。公開中止理由を探る前に、映画「マザー!」のあらすじと予備知識を確認しておきましょう。

「あらすじ」

 森の中にたたずむ屋敷でひっそりと暮らす詩人と妻。ある日夫婦のもとに、一人の初老男が訪ねてきます。何者かもわからない男に警戒する妻でしたが、夫は何の疑いもなく、男を家に招き入れ、部屋まで与えます。次第には男の妻や子供たちまでも押し寄せるようになりました。これが悪夢の始まり。それは妻の気を狂わすほどの、狂気へと発展していきます。

難解なシーンが多すぎる

 映画「マザー!」はとにかく難解なシーンが多いです。なぜそんな風に物語が展開していくのか?今のシーンはどういう意味が込められているのか?考える所が満載です。特に難解なのが、次々と家に人を招き入れる夫の奇行でしょう。

次々と家へ人を招き入れる夫

 最初の初老男を家に招き入れたことをきっかけに、夫は妻に断りもなく、次々と、夫のファンと名乗る人たちを家に招き入れます。しかも、招き入れた人はみな、図々しい態度や横柄な態度ばかり・・・。そんな状態でも、妻のストレスを顧みずに笑顔で接客をする夫。妻が「なぜ招いたのか?」を問いただしても、なにも理由がなく、ただ笑顔でお客を招き入れていく夫の行動に不気味さを覚えます。

とにかく理不尽な展開

 夫が招き入れた人々によって、夫婦の家はメチャメチャにされてしまいます。流し台を壊し、壁をペンキで塗り、立ち入り禁止の寝室へ押し入る。妻がどんなに「やめて!」と叫んでも、誰も言うことを聞きません。最終的には生まれたばかりの夫婦の子供を惨殺します。とにかく、このような不可思議で恐ろしい展開が延々と続きます。

キリスト聖書のストーリー

 なぜこのような理解できないストーリーになっているのでしょうか?それは映画「マザー!」が、「キリスト教聖書の創世記」の話をもとにつくられたからです。

「キリスト教聖書の創世記」の役割をこの映画で当てはめると、夫は「神」、妻は「マザーアース」。最初に家を訪ねてきた初老男は「アダム」で、その妻が「イヴ」となります。初老男と妻の息子2人は「カインとアベル」です。夫のファンと名乗り押し寄せ、家をめちゃくちゃにする人々は「人類」。夫と妻の間に生まれた男の子の赤ちゃんは「イエス・キリスト」の役割を果たしています。夫婦の破壊される家は「地球」でしょう。つまり、映画「マザー!」は、「キリスト教聖書の創世記」の章を、現代を舞台にして映像化しているのです。神は何も考えずに人類を地球に招き入れ続け、地球が破壊されていく。その様がこの映画では、夫婦の家で風刺的に表現されています。また、聖書は男性視点で書かれているものですが、映画「マザー!」では妻の女性視点で描かれているのが特徴的です。

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映画「マザー!」が公開中止になった理由

では、なぜ映画「マザー!」が公開中止になってしまったのでしょうか?理由について考察します。

1. 実際のところ詳細は不明

 映画「マザー!」は2017年にアメリカで公開されたのち、2018年に日本でも公開が予定されていました。しかし突如公開は中止。中止理由は、映画製作会社、パラマウント映画の意向ということでしたが、その詳細は公表されていないのが現状です。公開は中止になりましたが、現在はDVDが発売・レンタルされているので、日本でも視聴が可能です。

2. キリスト教になじみがない日本人にはウケないと判断された?

 ここからは憶測になりますが、映画「マザー!」が公開中止になった理由は、「日本人に受け入れられない」と判断されたからではないでしょうか。

日本は宗教にたいして独特の世界観を持っている民族です。お盆に先祖を迎い入れる、お経を唱えるなどの風習は仏教文化ですし、クリスマスを祝うことはキリスト教の文化です。日本はさまざまな宗教文化のほんの一部を切り取って、それを毎年の行事として当たり前のようにおこなっています。この事実から日本人の多くは、一つの宗教に対する信仰心や執着心がないと言えます。キリスト教への強い信仰心を持たない考えが大部分を占める日本人。そんな民族がキリスト教聖書の中身を映像化した本作を観たところで、難解な点ばかりになってしまうのは当然です。ましてや日本では、宗教的な思想が強く示されることに抵抗感を感じる風潮があります。キリスト教の思想が強い映画「マザー!」は、日本人の大部分に受け入れられない可能性が高いのだと思います。そして商業的に成立しないと判断されれば、映画の公開を中止せざるを得ません。

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まとめ

 今回は2017年に、アメリカで公開された映画「マザー!」の公開中止理由について考えてみました。実のところ、映画「マザー!」の正式な公開中止理由に関しては詳細が明かされていません。そもそもキリスト教への信仰心が薄い日本人。宗教的な内容が色濃く描かれている本作品の内容を考えると、日本人の大部分には受け入れられない作品と判断され、公開中止になったことが考えられます。とにかく難解なシーンが多く、日本人の大部分は、ストーリーが理解できないまま映画が終わってしまうと思われます。この映画を観る際は、インターネットで「キリスト教聖書創世記」の内容と、この映画がどうリンクしているかを調べてから鑑賞されることをおススメします。

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