「HAWAII FIVE-0」は、2010年から2020年までアメリカで放送、ハワイの島で起こる様々な事件に立ち向かう、特別捜査班の活躍を描いたポリスアクションドラマです。このドラマに登場する主要キャラクターのコノ・カルカウアという人物は、シーズン途中からその姿を見せなくなります。そしてインターネット上では「コノ」「死亡」というワードが見られるようになりました。コノ・カルカウアは死亡してしまったのでしょうか?今回は「HAWAII FIVE-0」の主要キャラクター、コノ・カルカウアが劇中で姿を消した理由を探ります。
ドラマ「ハワイファイブオー」 概要
コノ・カルカウアに焦点を当てる前に、ドラマ「HAWAII FIVE-0」がどんなストーリーなのか?気になるところです。ドラマの概要、今回トピックになっている登場人物コノ・カルカウアについておさらいしてみましょう。
作品紹介
「HAWAII FIVE-0」はハワイの島内で起こる凶悪事件に立ち向かうハワイ州知事直属の特殊捜査班の活躍を描いたポリスアクションドラマです。物語の中心となる特殊捜査班のチーム名「FIVE-0」がそのまま、ドラマのタイトルになっています。1968年~1980年まで放送されていた連続ドラマ「ハワイ5-0」のリブート作品です。
ちなみに「FIVE-0」というチーム名は、ハワイ州がアメリカ合衆国の50番目の州であることと、「FIVE-0」のリーダーであるスティーヴ・マクギャレットがアメリカン・フットボール選手だった頃のユニフォーム番号に由来しています。
シーズン1~7まで活躍していた女性潜入捜査官コノ・カルカウア
今回この記事のトピックになっているコノ・カルカウアは、グレイス・パークが演じ、「FIVE-0」のチームメンバーとなる女性です。もともとはプロサーファーを目指していましたが、ケガが原因で引退。警官を目指してポリスアカデミーに通い始めました。アカデミー在籍中に「FIVE-0」の任務に参加したコノは、その活躍が認められ、正式に「FIVE-0」のメンバーとして迎えられます。「FIVE-0」の最年少メンバーで、射撃の名手でもあります。
ハワイファイブオーのコノ・カルカウアが死亡?
「FIVE-0」のメンバーとして活躍していたコノ・カルカウアは、シーズン7以降はドラマに登場しなくなります。このことから「コノ」「死亡」というワードがインターネット上で見られますが、コノは死亡したわけではありません。
コノはシーズン7で、少女人身売買事件にかかわります。被害者の少女を救い出したコノですが、少女が事件で受けたショックや惨状を目の当たりにしたコノは、憤りを覚えます。そしてシーズン7最終話で、人身売買組織撲滅のためにアメリカ本土へと渡る決意をしたコノは、「FIVE-0」を去り、シーズン8以降はドラマに登場しなくなりました。
このストーリーだけで判断すると、コノはドラマのストーリー設定上、自然な流れで「FIVE-0」を去ったように見えますが、実際にはコノを演じる女優グレイス・パークがドラマを降板したことにより、コノがドラマに登場できなくなったという事情があったようです。
なぜコノ役のグレイス・パークは降板したのか?
この役のグレイス・パークが降板した主な理由は、制作側のCBSとの「出演料交渉決裂」
にあるようです。グレイス・パークは、同じ「FIVE-0」のメンバーであるチン・ホー・ケリーを演じたダニエル・キムとともに、CBS側に出演料アップを交渉しました。グレイス・パークとダニエル・キムは、ドラマのメインキャストであるスティーヴ・マクギャレット役のアレックス・オローリンとダニー・ウィリアムズ役のスコット・カーンよりも10~15%ほど出演料が低かったと言われています。メインキャストと同等の出演料を要求したグレイス・パークとダニエル・キムは、CBSとの交渉が難航。そのまま折り合いがつかずに、降板になりました。
シーズン途中の降板により、グレイス・パーク演じるコノ・カルカウアはドラマに登場ができなくなりました。長期間シリーズ化される海外ドラマではありがちなことで、シーズン途中で、降板せざる負えなくなった俳優が演じていたキャラクターを、フェードアウトさせる必要があります。その結果、コノ・カルカウアは“人身売買撲滅のため本土に渡る”という理由をつけて、ドラマ「FIVE-0」を去ったのでした。
出演者の事情でシリーズ途中に、登場人物が姿を見せなくなるということは、海外の作品ではありがちなできごとです。しかし、その理由が“出演料交渉の決裂”というのはあまり多い事例ではないように思われます。このような理由で出演者が降板になった例は、ほかの作品でもあるのでしょうか。
出演料交渉決裂での降板はあの有名映画でも
出演料の交渉決裂で、役者がシリーズ途中で降板する。このような事態は、あの有名映画でも事例がありました。それは1985年~1990年まで3部作で公開されたSF映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズです。PART1で、主人公マーティー・マクフライの父親ジョージ・マクフライを演じたクリスピン・グローヴァーは、PART2以降の出演料で制作側との合意が得られず、PART1出演のみで降板。PART2以降は、ジェフリー・ウェイスマンがジョージ役を演じました。
PART2はPART1の30年後の世界を描いた作品。ジョージも、PART1から30歳年をとっている設定なので、特殊メイクによる老人メイクが施されていました。そのため、ジョージ役がクリスピン・グローヴァーからジェフリー・ウェイスマンになっても気づかなかった人がほとんどではないでしょうか。また、PART3も、ジョージ・マクフライの出番は、ラスト数十秒のみ。ビジュアルもサングラスをかけていたため、ジョージ・マクフライの役者が別人になっても、違和感はありませんでした。
まとめ
今回は、アメリカの連続ドラマ「HAWAII FIVE-0」のメインキャラクターであるコノ・カルカウアがシーズン途中で姿を消したことに関して、その真相を調べてみました。コノ・カルカウアが姿を消したのは、劇中で死亡したわけではなく、コノを演じた女優グレイス・パークとの出演料交渉の折り合いがつかなかったという、リアルな事情があったようです。グレイス・パークがドラマに出演できなくなった以上、コノ・カルカウアは何らかのカタチでドラマから姿を消さなければなりませんでした。このようなストーリーの裏に隠された、リアルな出演者事情なども、作品を観るうえでは面白い予備知識かもしれません。このような予備知識を頭に入れながら、ぜひ「HAWAII FIVE-0」を観てみてください。