2018年からフランスで放送され、日本では2023年7月から、シーズン３がBS11で放送されているバルタザール法医学者ファイル。シーズン３の最終回では、ついにバルタザールの妻を殺害した犯人が明かされます。誰が、なんのために狂気に走ったのか？ 本記事では、シーズン３の最終回についてお話します（ネタバレを含みます）。
バルタザール 法医学者ファイルはどんなストーリー？
「バルタザール 法医学者捜査ファイル」は法医学捜査ドラマで、主人公はラファエル・バルタザールという法医学者で、死者の声を聞けるという特殊能力をもっています。
性格は自由奔放でマイペース、ときに傲慢で軽い印象を与える人物ですが、法医学の知識と優れた洞察力をもっており、それらを駆使して事件を解決していきます。
プレイボーイで、堅苦しさからは程遠い人物に見えますが、実は過去に、妻のリーズを殺害されており、未解決の事件とその犯人を、バルタザールは密かに追いかけていました。
ある日、バルタザールは検視官とその妻が殺害された事件を担当することになり、エレーヌ・バックという女性に出会います。エレーヌはパリ警察の警部であり、バルタザールとは対照的に、理性的で正義感が強いタイプの女性で、バルタザールの奔放さに振り回され、ときに対立しながらも、彼を信頼し、共に様々な事件を解決していきます。
物語は、一話完結のエピソードを重ねながら、バルタザールの妻殺害事件の真相を追っていくという流れで、バルタザールとエレーヌはお互い惹かれ合いながらも、あと一歩のところで踏み込めず、もどかしさを残しながら進んでいきます。
シーズン２の終わりでは、バルタザールは親友までも殺害されたことで活力を失い、姿を消します。
そして物語は、妻殺しの真相が明らかになるシーズン３へと進みます。
シーズン３ ラストまでの流れとネタバレ
ここからは、シーズン３の最終回「明かされた真実」についてお話していきますが、まずは前提知識として、シーズン３の概要を解説します。
真実が明かされるまで
シーズン２のラストで、親友が殺害されるというショッキングな出来事を受け、バルタザールは仕事を辞め、誰にも場所を言わずに失踪していました。その期間、約半年です。
しかし、滞在先で若い女性が焼死体で発見される事件が発生します。
最初は関わろうとしなかったバルタザールですが、事件解決の兆しがなく、困っているならと自ら検視を行い、彼を探しに来たエレーヌと共に捜査にあたり、徐々に法医学者としての自分を取り戻し、事件を解決してパリに戻ってきます。
パリに戻ったバルタザールは、以前のようにエレーヌと事件を解決していき、ついに彼女をディナーに誘い、いよいよ二人の距離がゼロになると思われたとき、マヤが家を訪ねてきます。
マヤは陽気で自由奔放、バルタザールと気が合いそうな性格で、ある事件をキッカケにバルタザールと知り合い、友達を経て恋人の関係になります。親友が殺害された事件の後、バルタザールが姿を消していたことで、繋がりもなくなっていました。しかし、彼が戻ってきたことを知り、マヤが訪ねてきたことで、二人は再燃していきます。
エレーヌとバルタザールは、これまでどおり事件を捜査していきますが、あの夜のことがキッカケで微妙な距離感になり、一方でバルタザールとマヤの関係は深まっていき、エレーヌは複雑な気持ちを抱くようになります。
そんな折、妻を殺したと思われる男が逮捕されます。名前はジャンヴィエ、身元不明で、名前も本名かどうか分からない気味の悪い男で、殺人の手口が妻殺しの犯人と似ています。
エレーヌは、今度こそ犯人を捕まえたかもとバルダザールに伝えますが、バルタザールは、今までも犯人かもしれない奴がいたけど違った、今回も違うんじゃないか、もうガッカリするのは嫌なんだと、エレーヌを突き放します。今度こそと思うたびに失望してきたため、感情的になっての言葉でした。
しかし、別の事件の捜査を通して、自身の信じる気持ちと向き合う覚悟を決めたバルタザールは、留置場まで確認しにいき、ジャンヴィエを直接見たことで、彼が犯人だと確信します。
ジャンヴィエは取り調べもニヤニヤしながら受けるような人間で、バルタザールも自分で話を聞く機会を得ますが、妻殺しについて白状することはなく、バルタザールは屈辱を受けながらも、未来のために気持ちを切り替えようとします。なぜなら、マヤとの関係を深めたバルタザールは、彼女にプロポーズし、マヤのお腹には二人の子供がいたからです。
自供はしていないものの、妻殺しの犯人と思われる男も逮捕され、新しい人生の始まりに幸せな気分のバルタザールですが、エレーヌは引っかかるものがあり、密かにマヤのことを調べ、気になった点を指摘しますが、自分の妻になる女性を勝手に調べたエレーヌに、バルタザールは怒りを顕にします。
そして結婚式の前日、ジャンヴィエは検事にすべてを話すと言い、裁判所に移送されることになります。
※ここから先は、シーズン３の最終回「明かされた真実」についてのネタバレになります。
シーズン３ 最終回「明かされた真実」
移送中のジャンヴィエの車に付き添い、エレーヌとバルタザールは別の車で先行します。しかし、突然ジャンヴィエの体調がおかしくなり、同行している警官が車を停めると言い出したそのとき、バルタザールたちの乗った車に何者かが衝突してきます。
そして、ジャンヴィエは逃亡していまい、まんまと逃げられたことに、バルタザールは怒りをぶつけますが、エレーヌが宥め、バルタザールはエレーヌに、話がしたいと言って家に誘います。
家にやってきた二人はソファに座り、バルタザールは、マヤと二人で別の土地で暮らそうと思っていること、エレーヌがマヤを疑って調べるのは嫌だったが、考えてみると、自分も君の結婚相手は見たくないと、複雑な思いを口にします。
と、インターホンが鳴り、マヤだと思って迎えに出ると、そこには逃亡したジャンヴィエが待ち構えており、バルタザールだけでなく、エレーヌも命の危険に晒されます。しかし、帰ってきたマヤがジャンヴィエの頭を殴り、二人は助けられます。
命が助かったのは幸いでしたが、妻殺しの容疑者であったジャンヴィエが死んでしまったために、真相は闇の中に落ちてしまいます。
厳しい現実を乗り越え、バルタザールとマヤは予定通り結婚式を上げることを決断します。その裏で、バルタザールの仲間であるファティムとエディは、ジャンヴィエの遺体を徹底的に調べて、真相解明のための鍵を見つけることが、バルタザールへのお祝いになると考え、遺体を解剖し、火傷の後だと思っていた傷がタトゥーを消した跡だと気づき、どんなタトゥーが彫られていたのが復元してみると、そこには意外な絵が浮かび合ってきます。
結婚式当日、ファティムとエディは、検視結果をバルタザールに渡し、結婚式は進んでいきますが、エレーヌの部下のデルガドだけが現れません。エレーヌは心配し、何度も連絡を取りますが、連絡はつかないまま結婚式は進んでいきます。
やがて、新婚旅行のために、バルタザールとマヤが車で走り出した頃、エレーヌはデルガドと連絡がつかなかった理由を知り、真犯人についての衝撃の事実を知るに至り、二人を追いかけます。
一方、新婚旅行のことを楽しそうに口にするマヤでしたが、バルタザールは気づいていました。エディたちに渡された報告書、そこから考えられるシナリオと、真犯人の姿……第三者の視点で見ればおかしいと思うことがたくさんあったことに、バルタザールはようやく気づいたのです。
車を停めて問いつめると、マヤはゾッとすることを口にします。彼女がバルタザールの妻を殺害した理由は、あまりにもおぞましく、サイコパスそのものと言えます。当然、そんな動機を聞いても理解も共感もできるはずがないバルタザールは、マヤにガソリンを掛け、自分にも掛けて、火をつけようとします。
目の前にいる女は、イカれた理由で妻を殺害し、親友をも殺害した犯人……しかしそれでも、確かに彼女を愛した自分もいて、お腹には自分の子供もいる……躊躇っているところに、応援を連れて駆けつけたエレーヌが到着しますが、マヤは一瞬の隙をついて持っていた刃物でバルタザールの首を突き刺し、マヤは取り押さえられますが、バルタザールはエレーヌに支えられながら意識を失います。
こうして、バルタザールの生死は不明のまま、シーズン３は幕を閉じます。
もしバルタザールが、マヤに対して好意をもっていなかったら、いつも通り冷静に状況を分析し、エレーヌの言葉も真摯に受け止め、もっと早く真相にたどり着いていたかもしれません。そうなっていたら、いくつかの悲劇は防げていたかもしれません。
しかし、どんなに冷静沈着で洞察力に優れていても、人間である以上、感情が動いてしまう瞬間や出来事はあるものです。バルタザールといえど例外ではありませんが、そんな弱さとも取れる感情的な部分もあるからこそ、魅力的な人物だと感じるのではないでしょうか。
バルタザールとエレーヌの関係が気になるシーズン４
シーズン３の最終回で、バルタザールは生死不明となりましたが、シーズン４があるため、彼は生きていると見て間違いないでしょう。そうなると、エレーヌとの関係が気になりますが、その前に、シーズン３最終回のネタバレの中には、マヤはなぜ妻を殺害したのか、何が彼女を狂気に至らせたのかといった重要な部分は書かれていません。今後のシーズンにも関わることなので、ぜひご自身の目で確かめてみてください。