PR 映画・ドラマ

「哀愁しんでれら」に関する考察・伏線回収まとめ!その真相とは!?

「哀愁しんでれら」は土屋太鳳、田中圭主演で2021年に公開されたサスペンス映画です。この映画の特徴の一つとして、観る人によって解釈の仕方が異なるシーンがたくさんあります。そのためインターネット上では、「哀愁しんでれら」の内容に対する考察が多々見られ、様々な憶測が飛び交っているのです。今回は、そんな謎多き映画「哀愁しんでれら」に関して、不可解なシーンに関する考察をまとめてみました。

スポンサードリンク

映画「哀愁しんでれら」について

映画「哀愁しんでれら」は、次世代クリエーター発掘のためのコンペ企画「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2016」の一般公募で寄せられ、グランプリを獲得した脚本が基になっています。グランプリ脚本をもとに、渡辺亮平監督の手によって映画化された「哀愁しんでれら」。その考察を行う前に、映画のあらすじや特徴をおさらいします。

あらすじ

 児童相談所の職員として働く福浦小春(土屋太鳳)は、家族が倒れ、家を火事で失い、恋人も寝取られる散々な一日の末に、開業医である泉澤大悟(田中圭)の命を救います。彼には前妻との間に生まれた小学生の娘ヒカリがいました。次第に惹かれあう小春と大悟。ついに2人は婚約し、小春はヒカリの母親になります。小春にとって大悟はまさに、おとぎ話「シンデレラ」に出てくる王子様。小春のシンデレラストーリーはハッピーエンドで終わるはずでした・・・。

ヒカリや大悟と一つ屋根の下で暮らし始めた小春ですが、徐々に大悟とヒカリの裏の顔を知ることになります。また、普通の子とは少し違うヒカリの性格にも悩まされ、小春の精神は闇へと落ちていくのでした・・・。

段々と崩壊していくシンデレラストーリー

映画の冒頭、小春の周りに起こる不幸な出来事が、コメディタッチで展開していきます。人生どん底の最中、開業医の大悟と出会いラブロマンスへと発展。小春は貧しい家庭を支える長女から、大屋敷に住む夫人となりました。一見は誰もが憧れるシンデレラストーリー。しかしこの映画は、その先の展開が本題。一つ屋根の下で大悟とヒカリと生活を始めた小春は、2人の裏の素顔を知ることに。ヒカリは次第に小春の手に負えなくなります。そして、母親としての小春の精神を崩壊させていくのでした。ついには大悟と共に、ヒカリを過保護にするモンスターへと変わり、世間を震撼させる事件を起こします。

スポンサードリンク

映画「哀愁しんでれら」 憶測を呼ぶシーンの考察

映画「哀愁しんでれら」は憶測を呼ぶシーンが満載です。観る人によってとらえ方が異なるシーンが多々あり、この映画を観る醍醐味の一つでもあります。そんな数ある謎のシーンから2つを取り上げ、考察をまとめました。

1, 夫大悟と娘ヒカリの奇行の数々

 さわやかで優しく、お金持ち。まさに王子様のような登場をした大悟ですが、ストーリーが進むにつれて、奇妙な一面があらわになりました。

・自分の裸体の変化を30年間、絵として描き続ける

・子供のころ飼っていたペットのウサギをはく製にして部屋に飾っている

・学歴主義で、ヒカリのクラスメイトや親を馬鹿扱い

・ヒカリのことになると、尋常ではないほどヒートアップする

特に印象に残ったシーンは、ヒカリについ手を上げてしまった小春を責め立てるシーン。言葉は乱暴になり、ヒカリの前で小春を怒鳴りつけます。この豹変ぶりは、映画を観ている人たちを恐怖に陥れたシーンといっても良いでしょう。

 小春が母親になった後のヒカリも、小春に出会った頃の、素直でかわいい姿が一変。数々の不可解な言動で、小春を苦しめていきます。

・小春の作ったお弁当を毎回食べずに捨てているが、食べたように装う

・小春に誕生日プレゼントでもらった手作りの筆箱をトイレに流す

・小春の言うことを断固として聞かなくなる

・同級生ワタルに「いじめれた」と訴え、ワタルを悪者に仕立て上げる

 小春を母親として快く迎えいれたはずのヒカリですが、一緒に暮らし始めてからは、小春を陥れるような行動を繰り返します。その二面性にはゾッとさせられました。

この2人の奇行は、以下の考察をする上で、キーになる要素です。

2. ヒカリは同級生を殺してしまったのか?

ヒカリは同級生ワタルに恋をしていました。しかしワタルがいつも気にかけているのは、同じクラスメイトの女の子来実。来実に激しく嫉妬したヒカリは、学校の教室から外を眺める来実の背後にそっと近づきます・・・。そこでシーンは終了。そこから展開は、来実のお葬式のシーンへと移ります。そう。来実は学校の窓から転落死してしまったのです。事故とみなされた来実の死ですが、あきらかにヒカリが突き落としたとしか考えられないシーン構成でした。本当にヒカリは同級生を殺してしまったのでしょうか?

お葬式の帰りの喫茶店では、ゲームをやりながら「来実ちゃんはいつも邪魔ばかりする。だからゲームオーバーになっちゃったんだよ」とにやけながら独り言をつぶやくヒカリ。打って変わって映画終盤、来実が転落死した時の教室に居合わせた女の子が、小春に手紙を渡します。そこには「ヒカリちゃんが殺してないってみんな知っているよ。」と書かれていました。しかしワタルは、「来実を殺したのはヒカリだ!」と学校で訴えます。一体この最後の手紙は何だったのか?ヒカリは本当に来実を突き落としていないのか?と混乱が頭を横切ります。

実際にヒカリは来実を殺したものと思われます。その理由はやはりヒカリの常軌を逸した奇行の数々。ヒカリや同級生のワタルを苦しめるヒカリの数々の行動を観て、「ヒカリならやりかねない」と思うほうが自然でしょう。

3. ラストシーンの謎、なぜ小春と大悟は大量殺人を犯したのか?

ヒカリの通う小学校でインフルエンザの予防接種を担当することになった大悟は、小春を助手にし、インフルエンザワクチンを違う薬品にすり替えて、小学校生徒に注射していく恐ろしい奇行に走りました。ラストシーンでは注射を打たれた児童の死体が、学校中に横たわるという戦慄のシーンでこの映画は幕を閉じます。

 なぜ小春と大悟はこのような事件を最後に起こしたのでしょう。それは、ヒカリを溺愛するあまりのゆがんだ愛情が考えられます。来実を殺したとして疑惑の目をかけられたヒカリ。来実の死をきっかけに疑惑の目で見られ、いじめの対象になるかもしれないヒカリを守るために、2人はヒカリのクラスメイトを殺す考えに至ったものと思われます。もともと、ヒカリのためなら、モンスターペアレントにも豹変してしまう気質の大悟。ヒカリの奇行に悩まされ精神が崩壊した小春。小春はヒカリの母親を放棄するのではなく、ヒカリをとことん愛してやろうという想いがゆがんでいき、ヒカリのためなら人殺しも厭わないモンスターへとなってしまったのです。

スポンサードリンク

まとめ

 今回は映画「哀愁しんでれら」の2つのシーンについて、その真相を考察してみました。映画の冒頭でラブコメディ的に展開していった小春のシンデレラストーリーは、世間を震わせるほどの大事件を起こすまでのサスペンス映画に豹変。良い意味で裏切られた作品といって良いでしょう。最後まで目が離せない「哀愁しんでれら」。みなさんもぜひ、自分なりの考察を交えながら、この映画を楽しんでみてください。

-映画・ドラマ